UR賃貸に住んでいたので、焦ってはいなくて。どこか良いところがあれば。

2008年9月、以前から住んでいた横浜市内に新しいマンションを購入したOさん夫妻。結婚して数年経ち、マイホーム購入を考え始めましたが、とくに焦ってはいなかったといいます。「UR賃貸に住んでいたので、更新を気にしなくて良かったんです。とくに不便も感じていなかったので、どうしても引っ越したいというわけではなかったですが、いつかは購入したいという思いはありましたね」。

話題のマンションに応募するも抽選で落選。そこから興味が湧いてきて。

そんな頃、ご主人が職場の同僚から教えてもらったのが、低価格で話題になっていたマンション。「当たったらラッキーというくらいの気持ちで応募したんですが、案の定、抽選で外れてしまって。でも、それがきっかけで、インターネットなどで物件情報を見始めました」とご主人。いろいろ調べるうちに、購買意欲が高まってきたといいます。

以前から気になっていた物件。完成して、価格改定をしているという噂を聞いて。

エリアについては、特別な条件があったわけではないというOさん夫妻ですが、勤務先や互いの実家の距離を考えて、横浜市内で検討していました。「土地勘があったので、イメージしやすかったですね。横浜の町も好きだったので、横浜駅周辺で探しました」。そんなとき、インターネットで、以前から気になっていた物件が価格改定をしているという情報を見つけたご主人。「以前、ポスティングのチラシを見て気になっていた物件でした。横浜駅から徒歩圏内で周辺環境も良さそうだったんですが、そのときは価格が高くて。モデルルーム見学までは至らなかったんです」。

住宅街の中にある低層マンション。ゆったりとした敷地面積と間取りに満足。

さっそく棟内モデルルームを見学したOさん夫妻。「横浜駅から徒歩20分弱なのですが、すごく静かでしたね。閑静な住宅街の中にあって、低層なので周りとも調和していました。共用の庭があり、エントランスも広々として、圧迫感が無くていいな、というのが第一印象でした」。見学したのは3LDKの部屋。12畳あるリビングには、大きな窓から光が差し込み、温かくて明るい雰囲気でした。「ふすまを開けると15畳くらいになって、天井も高く感じられて、広々として開放的でしたね」。

完成済みの物件を見学することで実感が湧いて。営業マンの対応も良かった。

「以前、別の物件のモデルルームを1回だけ見に行ったのですが、棟外のモデルルームだったので眺望も日当たりも分からなくて、いまいち実感が湧かなかったんですね。この物件は、実際に空いている部屋をいくつか見せてもらったので、イメージしやすくて、とても気に入りました」。さらに、担当営業マンの印象も良かったとご主人。「強引に薦めるという感じではなくて、『気になったらまた来て下さいね』と言われて。自分達の探し方に合っている方だったのかもしれないですね」。

一軒家も迷いました。戸建てのメリットとデメリットは……。

実は、もともとの希望は戸建てだったというOさん夫妻。神奈川県内や都内の戸建も検討したけれど、希望の条件で見つけるのが難しかったといいます。「マイホームといえば一軒家という憧れがあったのでいくつか見に行ったんですが、都心で戸建てだと、物件自体も狭いし、隣近所との間隔が狭くて圧迫感を感じましたね。かといって、広々とした間取りや敷地を求めると、郊外で駅から遠かったり、価格が高かったりと、なかなか良い戸建てが見つからなかったんです。それなら、ゆとりのあるマンションのほうがいいと思って、検討していたマンションの購入を決意しましたね」。

こんな時代だからこそ。入居後の生活をイメージして購入するのが賢い方法。

「マンション購入はいいことばかりじゃないと思うんです」とご主人。「転職して勤務地が遠くなっても簡単には住み替えられないし、より良い物件があったとしても、気軽に変更できないですよね。メリットとデメリットをよく考えて購入したほうがいいと思うんです」。こんな時代だからこそ、焦って購入することはないというOさん夫妻。完成済み物件で入居後の生活をイメージして購入するのが、良い方法かもしれません。

編集後記

新しい家での暮らしに大満足のOさん夫妻。静かな周辺環境で、快適な毎日を過ごしているようです。家を探し始めると、どうしても焦ってしまいがちですが、ゆっくりとしたペースで理想の家を手に入れたお二人のように、慎重かつ、決めるときは決める。そのメリハリがマンション購入の決め手かもしれません。
取材日：2010年3月4日　文：結城歩